シングルマザーの生活をイメージするときに貧困と結び付けられることが多いですが、一体なぜなのでしょうか。
この記事ではシングルマザーの生活実態から見える母子家庭が貧困に陥ってしまう理由やシンママの生活を安定させるコツを解説していきます。
実態を把握することで、最適な改善策が見つかりより良い生活環境を築くことができるでしょう。
シングルマザーの生活は厳しい?
子どもと母親で生活する母子世帯の生活実態はどのような状況なのでしょうか。
厚生労働省の調査情報を元に、平均収入や勤務体制をみていきましょう。
平均年収300万円に満たない
厚生労働省がひとり親家庭(母子世帯・父子世帯含む)を対象に平均年収調査を行いました。
平成27年に行われたその調査結果によると母子家庭の平均年収は『243万円』父子家庭の平均年収は『420万円』と記載されています。
同じひとり親世帯でも、母親が養育者か、父親が養育者かで平均年収が大きく異なります。
この『243万円』とは、養育費や手当も含まれており、実際の就労年収は『200万円』程度です。
保険や税金など引かれて手戻り収入で毎月『13万円』といったところ。
そこから生活費・教育費・医療費など出費を考えると母子家庭が貧困を強いられているのがよくわかりますね。
参考元
平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
近年、正社員が増加傾向にある
シングルマザーであれば、パート勤務が当たり前とされていましたが近年、リモートワークの推奨や母子家庭支援などの後押で、シングルマザーも正規雇用(正社員)で働ける環境が増えてきています。
社内に託児所があったり、ママばかりの部署があったりと気兼ねなく働けるのはシンママにとってありがたい傾向ですね。
母子家庭が貧困に陥ってしまう理由
平均年収が低いことはもちろんのこと、母子家庭が貧困に陥ってしまう原因は具体的にどのようなところにあるのでしょうか。この項目では5つの理由に着目していきます。
子供が小さいときに離婚している
子供を持つ親の離婚のうち、子供が小さい年齢のときに離婚している割合が高いです。
これは厚生労働省の「ひとり親世帯等調査」でも報告されています。
子供が小学生に満たない年齢で離婚していることが多く、シングルマザー期間が長いことが貧困を招く原因といえるでしょう。
参考元
平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
養育費がもらえないケースが多い
離婚して子どもを養育している親、すなわち母親は養育費をもらえる権利があります。
しかし、多くの父親は養育費を払っていないのが実情です。
離婚の際に、養育費の取り決めをすることがほとんどですが中には「離婚後かかわりたくない」「相手に支払い能力がない」と養育費をもらうことを諦めてしまう人がいます。
一般的な二人親世帯と同等の平均年収が見込めない母子家庭にとっては養育費の有無は生活状況を大きく左右するといえます。
お金を貯金できる余裕がない
平均年収が低いとなれば、貯金ができる余裕がないのは当然のことです。
収入+手当+養育費があっても子どもと生活するのがいっぱいいっぱい…という母子世帯も多いでしょう。
母親が倒れてしまえば収入が減少したり、無収入になったりすることも考えられます。
貯金がない、できない状況は心の不安も生まれやすいので生活環境を見直すことが求められるでしょう。
子供と仕事を両立する時間が足りない
子供と仕事の両立に頭を抱えている人も多いのではないでしょうか。
子供が小さければ小さいほど手がかかり働きに出る時間を確保するのは難しくなります。
保育園のお迎えがあったり、行事ごとの際には仕事を休んだりと子供を優先しなくてはならない状況が多いのがシングルマザーの生活です。仕事を休んだり、時短勤務になったりすれば、当然満足いく収入が得られにくくなります。
実家暮らしで手当が十分受給できない
ひとり親世帯には、国から母子手当や助成金が支給されます。
しかし、受給するには所得制限や条件があり、実家暮らしの場合は支給対象外になる可能性があります。
実家暮らしの場合、同居している人の中で所得が一番高い人が所得制限の対象者とみなされるからです。
手当によって所得制限金額は異なるので、支給申請する際に同居人の所得についても確認するようにしておきましょう。
シングルマザーのきつい生活を安定させる5つのコツ
時間の確保や収入の確保に悩むシングルマザーが多いということはきつい生活を強いられている親子が多いということです。
そこでシングルマザーの生活を安定したものにすべく5つのコツを紹介していきます。
大きく生活が激変することはありませんが、ちょっとしたことの積み重ねが生活を安定させるための重要なキーになってくれますよ。
生活費・光熱費など節約できるものは徹底する
生活費・光熱費・教育費など節約できるものは徹底して節約しましょう。
- 車は手放し、維持費をなくす
- ママ友からお下がりをもらう
- 隙間時間で一気に作り置きする
- 遠くても激安スーパーに買いに行く
- 学校で習えるものは学んできてもらう
など、節約しようと思えばできることはいくつもあります。
現状のお金の使い方を見直して、無駄を省いていくのもおすすめです。
支援制度・手当・免除・割引を正しく利用する
母子家庭には国から支給される手当や助成金の他にも、市区町村独自の支援制度がある地域も存在します。
たとえば、毎月の家賃の一部を負担してくれる住宅手当や公共機関の定期代や乗車料金が割引になる制度などがあります。
地域によって制度の有無も金額も支給対象者もバラバラなので必ずお住まいの自治体に確認するようにしましょう。
国からの手当に、『児童扶養手当』『児童手当』『児童育成手当』『ひとり親世帯医療費』などがありますが受給するには、自ら申請し、毎年現況届を提出する必要があります。
もしも忘れてしまえば支給金額が減ってしまったり支給されなかったりするので、申請漏れがないか確認しておきましょう。
パート勤務であっても厚生年金に加入する
将来のためにパート勤務であっても厚生年金に加入させてもらいましょう。
就業条件の見直しによって、パートも厚生年金に加入できるようになっています。
現状の生活を安定させることは大切ですが、将来の安定も見込んで、まずは職場の人に相談してみましょう。
養育費をきちんともらう
養育費をもらっていないシングルマザーが多いと、前述でしましたが、子どもを養育している以上養育費をもらうことは当然の権利です。
きちんと支払ってもらいましょう。
「もう離婚してしまったし…」と諦めている人も、離婚後3年以内は養育費を請求できるので時効になってしまう前に請求申立てすることをおすすめします。
話を持ちかけるのが不安な人は離婚弁護士事務所に相談してくださいね。
持ち家の購入を検討する
シングルマザーの生活を安定させるためには住まいの確保は外せません。
今は賃貸物件にお住まいかもしれませんが、将来的に住宅購入も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
「シングルマザーじゃ住宅ローンが通りにくいんじゃないの?」と不安を持たれている人もいますが、実はそんなことありません。
マイホームを持つことで、資産を残せたり、家賃を抑えられたりするので「無理だ!」と決めつけずに検討してみましょう。
苦しいシングルマザーの末路より楽しい生活を手に入れよう!当社のシンママブログも要チェック!
ここまでシングルマザーの実態や、生活を安定させるためのコツを紹介してきましたがいかがでしたか?
「自分も今、苦しい毎日に悩んでいる」「ずっとこのままの生活なんて嫌」と感じている人もいるでしょう。
当社ではシングルマザーの健やかな生活を応援するためにさまざまな取り組みを行っています。
住まいのことはもちろん、母子家庭に特化したスタッフが在住しておりますのでいつでもお気軽にお問い合わせください。
シングルマザーが幸せな生活送るためのを応援しています!
まとめ
- 厚生労働省の調査によると母子家庭の平均年収は『243万円』
- 近年は、正規雇用で働くシングルマザーも増えている
- シングルマザーの生活が貧困に陥る理由には、時間とお金の確保の難しさがある
- シングルマザーの生活を安定させるためにも5つのコツを実践しよう